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エビ(食用でない)のお話

エビ(食用でない)のお話
趣味というのはお金をかければキリがないもので、私の趣味の一つである熱帯魚、金魚飼育もその典型的ものと言えるでしょう。
うちも玄関を開けると、水槽が2つ、お客様をお迎えしています。



我が家の玄関の水槽

魚の飼育を単に楽しみたいのであれば、うちのリビングのテレビサイドのように1リットルくらいの水が入る容器から始めることも可能です。



左 アカヒレと流木 右 ピグミーシュリンプ

アカヒレは中国原産の淡水魚で、酸素消費量が大変少なく、数少ないコップでも飼える魚です。(もちろん、魚にとってコップはベストな環境でないことは確かですが。)
ペットショップなどでかわいい小瓶に1匹、2匹入れて『コッピー』などの名前で売られているのを見かけたことがある方もいらっしゃるかも知れません。
ピグミーシュリンプは写真ではほとんど確認できないと思いますが、体長最大5mm程度の非常に小さい汽水に生息しているエビです。

飼育方法、お金の掛け方が様々なので、魚飼育の世界には漠然としたヒエラルキーが存在します。
概ね、
錦鯉>アジアアロワナ>大型魚>らんちゅう>古代魚>ディスカス>その他熱帯魚>その他金魚
という順番です。(異論は認めます。)
錦鯉の寿命は長いもので100年以上、アジアアロワナ、大型魚も犬や猫と同じくらいになり、設備投資など含め相当の覚悟が必要です。

ここに順位付けできなったものが3つあります。
それは、水草、メダカ、エビです。
水草は一見簡単なように見えて、照明設備や温度管理、光合成のためのCO2添加などそれなりの設備と莫大な手間暇がかかります。
いわば水の中の盆栽だと思ってもらえればわかりやすいでしょう。
メダカも簡単そうですが、品種改良が激アツな分野で、好きな人はメダカのみで大量の水槽を保有して日々新しいメダカの創出に励んでいます。



玄関の水槽で飼っているレッドチェリーシュリンプ

最後にエビですが、中でも人気があるのが香港原産と言われている小型の淡水エビのビーシュリンプ。大きさはせいぜい最大で1.5cm程度で白と黒のシマの愛くるしいルックスで親しまれています。
なぜこのエビが人気になったのかは理由があり、1990年代にビーシュリンプの世界に革命が起きます。通常、白と黒のシマが白と赤のシマのクリスタルレッドシュリンプが登場したためです。
私の記憶が確かならビーシュリンプを飼育していた寿司屋の大将がある日、水槽を掃除していたら赤みがかったビーシュリンプを発見し、その赤い個体だけをかけあわせて作り出したのがクリスタルレッドシュリンプです。クリスタルレッドシュリンプは大ブームになり、当初は1匹2000円くらいから高いものだと2万円くらいで取引されていました。
グラム単位でいうと純金やプラチナよりずっと高価なエビです。
その後、背中に日の丸の模様がある個体や、真っ白な個体、真っ黒な個体、真っ青な個体など数々の品種改良が行われています。
そんなに高いエビならブリードすれば大金持ちになるんじゃないか?というのは安易な発想で多くの人がチャレンジして失敗しています。
※クリスタルレッドシュリンプという名称は最初のブリーダーさんが商標登録したため、現在ではそのブリーダーさんが販売する意外の紅白のエビはレッドビーシュリンプと呼ぶようになっています。



過去に飼っていたクリスタルレッドシュリンプ


私も過去に幾度となく飼育に挑戦しましたが、第3世代の誕生を待たずに全滅させてきました。本当に申し訳ないことです。
現在もビーシュリンプの人気は高く、模様のちょっとした違いで1桁変わったりする世界です。

今、私がいるITの世界でも過去に幾度となく革命的なサービスやソリューションが誕生してきました。
今後、自分がそのような革命的なものを生み出す場に立ち会うことは難しいかも知れませんが、ビーシュリンプのように小さくても他には無い模様や色で差別化し、付加価値のある仕事ができればと常日頃思うのです。

P.S.
最後にエビを飼育している人があなたに自分の水槽や水槽の写真を自慢してきたときに絶対に言ってはいけない言葉があります。
それは『それって食えるの?』です。

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